2007年9月25日火曜日

2007中国公演(7)北京

 9月18日、オーケストラアジア2007ツァー北京公演。会場はコンサート専用ホールの「北京音楽庁」です。ここでのオーケストラアジア公演は3回目になりますが、改装されてからは初めてです。ふと思い出すのは「紅塔礼堂」という施設です。1983年に日本音楽集団が中国公演をしたときの会場で、初の日中伝統楽器オーケストラの合同演奏を果たしたのですが、たしか1980年に小澤征爾さんが中央楽団(中国一のクラシックオーケストラ。現在は国立交響楽団)を指揮された会場でもあります。文化大革命の嵐が吹き荒れたあとのこと、「北京にブラームスが流れた日」のタイトルでテレビマンユニオンが制作した番組を鮮やかに記憶しています。最後のシーンは、まだ古い校舎の中央音楽学院の教室で、生徒が弾く二胡の名曲「二泉映月」を小澤さんがひとり静かに聴きながら終わるのですが、その生徒は当時14才の姜建華さんでした。今回のコンサートではその二泉映月もコンチェルト形式に編曲されて上演されるのです。
 紅塔礼堂は大きな公会堂というような場所で、その後音楽専用の北京音楽庁が作られました。1989年には日本音楽集団が創立25周年の記念事業として2度目の中国公演を計画しこの会場が手当されていたのですが、あの天安門事件のために計画を断念することになったのです。同時に計画していた韓国公演は残り、このときには初の日韓伝統楽器オーケストラの共演となりました。オーケストラアジア前史が約10年あって、来年は創立15周年。ふと感慨にふけった次第です。

 ホールの外装内装とも近年改装されてきれいになりました。イメージはウィーンのムジークフェラインというところでしょうか。わが尺八ソリスト(素川欣也さん)の「鶴の巣籠」のリハーサルにも熱が入ります。

(第1部)
オープニング:第9回アジア芸術祭テーマ曲
1、中国民歌「茉莉花」/劉文金作曲・指揮
2、二胡独奏曲「二泉映月」/華彦釣作曲/劉文金編曲・指揮/独奏:楊文娜
3、日本楽器パート単独ステージ 「勧進帳」「鶴の巣籠」
4、韓国楽器パート単独ステージ 「ヘグム協奏曲」
(第2部)
5、琵琶協奏曲「祇園精舎」/秋岸寛久作曲/稲田康指揮/独奏:石田さえ
6、伽耶琴協奏曲「伽耶詠」/朴範薫作曲・指揮/独奏:金日輪
7、馬頭協奏曲「源」/唐建平作曲/稲田康指揮/独奏:ナリス

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